ビジュアルモバイルデザイナのカスタムコンポーネント: PIM ブラウザ
執筆: Karol Harezlak
ビジュアルモバイルデザイナ(VMD) は NetBeans Mobility Pack に含まれるグラフィカルインタフェースです。コンポーネントをドラッグ&ドロップすることでモバイルアプリケーションをデザインできます。VMD を使用すると、Mobility Pack に含まれるコンポーネントまたは独自にデザインしたコンポーネントを使用して、アプリケーションフローを定義し、GUI をデザインできます。VMD には、リスト、警告、フォーム、画像など、アプリケーションの作成に使用できる標準のユーザーインタフェース (UI) コンポーネントが多数含まれます。また、待機画面、スプラッシュ画面、表項目など、より複雑な機能を簡単に作成できるカスタムコンポーネントも含まれます。
PIM ブラウザは、カレンダ、アドレス帳、またはタスクリストなど、標準のモバイルデバイス機能を簡単に利用できるカスタムコンポーネントです。PIM ブラウザコンポーネントを使用して、モバイル Java アプリケーションから、ローカルに保存された個人情報データベースにアクセスできます。このコンポーネントでは PIM (Personal Information Management) API が使用されます。これは JSR-75 (PDA Optional Packages
for the Java ME Platform) 仕様の一部です。JSR-75 は MIDP 2.0 仕様の一部ではないので、このコンポーネントはカスタムコンポーネントと定義され、JSR-75 対応のデバイスだけに使用できます。
アプリケーションの概要
この例では、JSR-75 対応デバイス用モバイルアプリケーションで PIM ブラウザコンポーネントを使用する方法を示します。デバイスの連絡先データベース、カレンダ、または To Do リストなどの内容の参照など、コンポーネントの基本機能を使用します。PIM ブラウザに加えて、スプラッシュ画面、テキストボックス、および警告の 3 つのコンポーネントを使用します。
ソフトウェア要件
開始する前に、コンピュータに次のソフトウェアをインストールしておく必要があります。
- NetBeans IDE 6.0 と Mobility Pack (ダウンロード)
- Java Standard Development Kit (JDK) version 6.0 (ダウンロード)
NetBeans Mobility Pack をはじめて使用する場合は、先に NetBeans 6.0 CLDC/MIDP 開発のクイックスタートガイドをご覧ください。
サンプルアプリケーションのインストールと実行
始める前に、チュートリアルの最終結果を確認します。
次の手順で PIMBrowserExample アプリケーションをインストールします。
- pimbrowserexample.zip をダウンロードします。
- ファイルを展開します。
- IDE で、「ファイル」>「プロジェクトを開く」を選択し、展開したファイルがあるフォルダを選択します。
- 「プロジェクト」ウィンドウと「ナビゲータ」ウィンドウを開きます。画面は次のようになります。
- 「プロジェクト」ウィンドウでプロジェクトノードを右クリックし、「プロジェクトを実行」を選択するか、F6 キーを押します。アプリケーションが実行されると、エミュレータウィンドウが開き、デフォルトのデバイスエミュレータでアプリケーションが実行されるところが表示されます。
- 「エミュレータ」ウィンドウで「起動」の下のボタンをクリックします。
エミュレータにスプラッシュ画面コンポーネントが表示されてから、次に示す PIM ブラウザが表示されます。
- 連絡先の詳細
- 位置を移動するにはカーソルを上下に移動します。
- 連絡先リストに戻るには「Back」の下のボタンをクリックします。
- アプリケーションを終了するには、「Exit」の下のボタンをクリックします。
「PIM ブラウザ」カスタムコンポーネントを使用したアプリケーションの作成
PIM ブラウザコンポーネントが実際に動作するところを確認できたので、最初に戻ってこのアプリケーションを作成します。アプリケーションを作成するには、次の手順を実行します。
- PIMBrowserExample プロジェクトを作成する
- PIMBrowserExample プロジェクトにパッケージとビジュアル MIDlet を追加する
- PIMBrowserExample にコンポーネントを追加する
- PIM ブラウザコンポーネントにコマンドを追加する
- コンポーネントを接続してアプリケーションフローを作成する
- Wireless Toolkit の連絡先データベースに連絡先を追加する
- プロジェクトを実行する
PIMBrowserExample プロジェクトの作成
- 「ファイル」>「新規プロジェクト」(Ctrl-Shift-N) を選択します。「カテゴリ」で「モバイル」を選択します。「プロジェクト」で「MIDP アプリケーション」を選択して、「次へ」をクリックします。
- 「プロジェクト名」フィールドに
PIMBrowserExample と入力します。「プロジェクトの場所」をシステム上の任意のディレクトリに変更します。以降、この例では、このディレクトリを $PROJECTHOME とします。
- 「Hello MIDlet を作成」チェックボックスの選択を解除します。「次へ」をクリックします。
- 「ターゲットプラットフォーム」は、「Java ME Wireless Toolkit」を選択したままにしておきます。「次へ」をクリックします。
- 「完了」をクリックします。
このプロジェクトフォルダには、ソースおよび、プロジェクトの Ant スクリプトなどのプロジェクトメタデータのすべてが含まれます。アプリケーション自体はビジュアルモバイルデザイナの「フローデザイン」ウィンドウに表示されます。
PIMBrowserExample プロジェクトへのパッケージとビジュアル MIDlet の追加
- 「プロジェクト」ウィンドウで
PIMBrowserExample プロジェクトを選択し、「ファイル」>「新規ファイル」(Ctrl-N) を選択します。「カテゴリ」から「Java クラス」を選択します。「ファイルの種類」として「Java パッケージ」を選択します。「次へ」をクリックします。
- 「パッケージ名」フィールドに
pimbrowserexample と入力します。「完了」をクリックします。
- 「プロジェクト」ウィンドウで
pimbrowserexample パッケージを選択し、「ファイル」>「新規ファイル」(Ctrl-N) を選択します。「カテゴリ」にある「MIDP」を選択します。「ファイルの種類」として「ビジュアル MIDIlet」を選択します。「次へ」をクリックします。
- 「MIDlet 名」フィールドと「MIDP クラス名」フィールドに
PIMBrowserExample と入力します。「完了」をクリックします。
PIMBrowserExample へのコンポーネントの追加
- ビジュアル MIDlet を「フローデザイナ」ウィンドウに切り替えます。次のコンポーネントをコンポーネントパレットからドラッグし、フローデザイナにドロップします。
- splashScreen をクリックし、「プロパティー」ウィンドウで「テキスト」プロパティーの値を「null」から「PIM Browser Example」に変更します。
- alert コンポーネントをクリックし、「プロパティー」ウィンドウで「文字列」プロパティーの値を「Contact selected」に変更します。
PIMBrowserExample へのコマンドの追加
- 「フローデザイナ」ウィンドウを開きます。
- コンポーネントパレットの「コマンド」セクションで終了コマンドを選択します。このコマンドをドラッグし、「フローデザイナ」ウィンドウ (pimBrowser コンポーネント) にドロップします。
コンポーネントの接続
- 「フロー」デザインウィンドウで、モバイルデバイスの「起動」をクリックし、splashScreen コンポーネントまでドラッグします。同様に、次の図に示すようにコンポーネントを接続します。
Wireless Toolkit 連絡先データベースへの連絡先の追加
サンプルの連絡先を WTK フォルダ $WTKHOME/appdb/DefaultColorPhone/pim/contacts/Contacts/ にコピーします。このフォルダはデフォルトで空なので、PIM ブラウザの例をテストするには最低 1 つのファイル (連絡先) をコピーする必要があります。
WTK の持続ストレージについては、『Sun Java Wireless Toolkit for CLDC User's Guide』の「Using the Emulator」の章 (第 4.3.2.1 項「Persistent Storage」) を参照してください。
プロジェクトの実行
- F6 キーを押すか、「実行」>「主プロジェクトを実行」を選択して主プロジェクトを実行します。
PIM ブラウザコンポーネントの詳細情報
NetBeans IDE には、PIM ブラウザコンポーネントや、VMD で使用できるその他のコンポーネントに関する API Javadoc が用意されています。PIM ブラウザコンポーネントの Javadoc を表示するには、次の手順を実行します。
- 「ヘルプ」>「Javadoc 参照」>「org.netbeans.microediton.lcdui.pda」を選択します。ファイルは Web ブラウザで開きます。
org.netbeans.microedition.lcdui.pda をクリックすると、コンポーネント情報へのリンクが表示されます。
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