NetBeans IDE 4.0 は、その製品の歴史の中で大きな前進です。Ant を利用した新しいプロジェクトシステムを導入することによって、クラスパスの管理の厳密性、構築および実行オプションの汎用性が増し、市場のどの IDE よりも密な Ant との統合が実現されています。また、NetBeans IDE 3.6 の「マウント」方式のシステムに慣れたユーザーにとっては、作業の流れに大きな変化があります。
このドキュメントは、NetBeans IDE 3.6 から NetBeans IDE 4.0 へのアプリケーションおよび IDE 設定の移行方法だけでなく、NetBeans IDE プロジェクトシステムでさらに生産性を高める方法も紹介しています。
NetBeans IDE 4.0 には、Apache Ant を直接利用したまったく新しいプロジェクトシステムがあります。NetBeans IDE プロジェクトシステムは、Ant 構築スクリプトを使用して、アプリケーションをコンパイル、実行、テストし、プロジェクトに関するすべてのメタデータを保持します。
Ant についての深い知識や経験は必要ありません。また、Ant を使用して、NetBeans IDE 内でプロジェクトを扱う方法を知っている必要さえありません。IDE には、アプリケーションの開発に必要なすべてを含む標準のプロジェクトテンプレートが用意されています。プロジェクトの GUI で基本的なコンパイル時および実行時オプションのすべてを設定できます。
上級の Ant ユーザーは Ant の機能を全面的に利用し、構築プロセスをカスタマイズできます。Ant ターゲットを書き換えることによって、標準プロジェクトの構築スクリプトを拡張することができます。IDE には、自由形式のプロジェクトテンプレート も付属しており、これらのテンプレートで独自の Ant スクリプトを作成し、プロジェクトの実行およびコンパイルを制御できます。
NetBeans IDE 4.0 では、ソースパッケージのルートごとに標準のプロジェクトを 1 つ作成し、それらプロジェクト間のクラスパス依存関係を設定します。各プロジェクト内で、アプリケーションのコンパイル、実行、テストそれぞれに専用のクラスパスを設定することができます。独自の Ant スクリプトを使用してプロジェクトを構築、実行する場合は、自由形式のプロジェクトを作成し、そのプロジェクト内で複数のソースフォルダを作成し、それぞれにクラスパスを持たせることができます。
「プロジェクト」ウィンドウが、論理的な形式で Java ソースおよび Web アプリケーションのビューを提供します。「ソースパッケージ」ノードには、パッケージ別にソースが表示されます。「ファイル」ウィンドウは、ディスク上でのプロジェクトフォルダの物理的な配置を示します。「お気に入り」ウィンドウでは、使用コンピュータ上の任意の場所にアクセスできます。
出力ファイルの生成
「ファイルシステム」ウィンドウで 「JAR (または WAR) レシピ」ノードを作成し、そのノードのプロパティおよびコンテキストメニューを使用して、JAR または WAR ファイルを生成します。
JAR ファイルは、標準の J2SE プロジェクトを構築するたびに 1 つ生成されます。WAR ファイルは、Web プロジェクトを構築するたびに 1 つ生成されます。J2SE プロジェクトの場合は、「プロジェクトプロパティ」ダイアログの「JAR を生成」ページ、Web プロジェクトの場合は「プロジェクトプロパティ」ダイアログボックスの「プロジェクトのパッケージ化」ページでフィルタおよび圧縮オプションを設定します。標準の J2SE および Web プロジェクトは、プロジェクトごとに出力ファイルを 1 つ生成します。
自由形式のプロジェクトの場合、出力ファイルの生成は Ant スクリプトで制御します。
プロジェクトの共有
開発者の間でプロジェクトおよびプロジェクト設定を共有することはできません。
プロジェクトメタデータのすべてが、Ant スクリプトと Ant プロパティファイル、いくつかの XML ファイルの形式でプロジェクトフォルダに格納されます。このメタデータをバージョン管理対象にして、自分のシステムに専用の設定を指定することができます。
次の表に、NetBeans IDE 4.0 における標準プロジェクトと自由形式プロジェクトの主な相違点をまとめます。
標準のプロジェクト
自由形式のプロジェクト
NetBeans 生成の Ant 構築スクリプトを使用して、アプリケーションを構築、実行、生成部の削除、テスト、デバッグを行います。
既存の Ant スクリプト内のターゲットを使用して、アプリケーションの構築、実行、生成物の削除、テスト、デバッグを行います。Ant スクリプトに、これらの機能のターゲットが含まれていない場合、その機能は使用できません。Ant スクリプトまたは補助的な Ant スクリプトで、そうした機能を実現するターゲットを作成することができます。
プロジェクトのクラスパスは、「プロジェクトプロパティ」ダイアログボックスの「ソースのコンパイル」ページでオプションを設定することによって制御します。 あらゆる変更が、ただちに IDE 生成の Ant スクリプトに記録されます。
プロジェクトのクラスパスは、Ant スクリプトで制御します。「プロジェクトプロパティ」ダイアログボックスの「クラスパス」ページのクラスパスの設定は、コード補完およびリファクタリングに使用できるクラスを IDE に伝えるだけです。Ant スクリプト内のクラスパス設定を変更した場合は、プロジェクトのプロパティの設定を更新する必要があります。
構築プロセスは、「プロジェクトプロパティ」ダイアログボックスで基本的なオプションを設定するか、NetBeans 生成の Ant スクリプト内のターゲットを書き換えることによってカスタマイズします。
コンパイル時および実行時オプションはすべて、Ant 構築スクリプトで設定します。
ソースフォルダ全体で JAR ファイル (J2SE プロジェクトの場合) または WAR ファイル (Web プロジェクトの場合) が 1 つだけ作成されます。
マウントしたフォルダおよびそれらフォルダに関係する設定を NetBeans IDE 3.6 からインポートすることはできませんが、一般的な IDE 設定の多くは、初めて NetBeans IDE 4.0 を実行したときにインポートされます。ただし、3.6 より前のバージョンの設定はインポートできません。